| 「世界一安全な国」目指す |
遅ればせながら、新年明けましておめでとうございます。昨年は大変お世話になりまして、ありがとうございました。
9月まで小泉内閣の内閣官房副長官として医療改革、年金一元化、少子化対策、公務員改革などに取り組み、小泉首相の外遊に同行することができました。
9月に安倍内閣を誕生させることができ、私は法務大臣を拝命することができました。何よりも、この「月刊人材ビジネス」に寄稿させていただき、さらに法相就任の祝賀会まで開いていただきましたこと、感謝申し上げます。
今年も「世界一安全な国・日本」の復活を目指し、『人情』なくして『人権』なしをスローガンに、人情豊かな健全な社会作りのため全力を尽くしてまいりますので、よろしくお願い申し上げます。
昨年は、ようやく経済回復の方向が確実になり、雇用需要も増大し、人材ビジネスに携わる皆様にとっても忙しい年だったのでないかと拝察いたします。
一方、格差問題、非正規雇用問題、フリーター問題などが話題となりました。今年はこれらの課題を克服するため、再チャレンジ政策を推進するほか、労働契約・労働時間法制、パート法制の見直しなどが予定されています。
また、外国人労働者のあり方も議論されることになると思われます。社会の役に立つ、健全な人材ビジネス業界として発展していくため、今年の皆様の一層の研さん、ご努力をご期待申し上げます。
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| 過剰収容止まらぬ刑務所 |
私は法務大臣として、残虐な犯罪の多発、代理出産問題、いじめ問題、長期不法滞在外国人の退去強制問題など、悩ましい問題に取り組んでいますが、これらに加え、矯正施設の過剰収容問題が深刻です。
現在、刑務所の収容定員は6万2000人なのに対し、現在の収容者数は7万2000人、収容率115%という過剰収容の状態にあります。しかも、毎年5000人の収容者増が見込まれており、収容者が8万人になるのは間近いと予想されています。
この緊急課題を解決するため、厳しい財政・定員事情の下で、毎年700〜800億円の矯正施設の新増設予算を投じており、矯正職員も毎年100人以上を増員していますが、まだまだ追いつきません。
過剰収容問題の解決には、犯罪の発生を減らすことが第1です。しかし、増加傾向は止まりつつあるものの、凶悪化してきており、最近の判決は懲役期間が長期化する傾向があります。
外国人犯罪の増加も過剰収容の一因となっています。全収容者に占める外国人の割合は7%に達しており、東京・府中刑務所では実に2割が外国人です。
ここで考えねばならないのは、刑務所の出所者らの再犯率が高いということです。年間約8万人の受刑者が出所していますが、その半数は5年以内に再び罪を犯して刑務所に戻ってきています。
これは、諸外国でも同じような状況ですが、再犯を防止できれば、犯罪の防止となるのみならず、矯正施設の過剰問題の解消に資することになります。
再犯防止のために最も効果的なのは、刑務所出所者らを就職させることです。職がないために、再び罪を犯すことが多いわけで、無職者の再犯率は有職者の約5倍といわれています。
しかし、刑務所出所者らには、一般に「ムショ帰り」とか、勤労意欲に欠けるといった悪いイメージが付きまとい、なかなか就職できないのが実情です。
これまで、こうした人々に対する就職支援は、保護司などの個人的な努力に任されてきたきらいがあります。しかし、これらの方々の努力には限界があります。
この問題を解決するために、私が提案して法務省と厚生労働省が連携、2006年度から「刑務所出所者等総合的就労支援対策」が開始されました。
求人開拓、就職指導・援助などについて矯正施設、保護観察所などと職業安定所の連携を強化するとともに、保護観察対象者についてトライアル雇用奨励金を支給すること、身元保証人がいない保護観察対象者らについて、公的な身元保証システムを創設することなどです。
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| 人材ビジネス業界の知恵を |
これらの取り組みを踏まえ、さらに実効的な方策を検討できないものでしょうか。その知恵は、人材供給の専門家である人材ビジネス業界にあるのでないかと期待しています。官民協力して、これらの人々のハンディを克服する仕組みをつくることができたら、どんなにすばらしいでしょう。私も考えますので、良い知恵があったら、是非提供してくださるようお願いします。
罪を犯して刑務所などに入所する人の事情はいろいろでしょうが、意欲のある人には再チャレンジの機会を与えるべきです。いたずらに刑務所出所者という理由で社会が受け入れなければ、罪を重ねることにつながります。それを放置することは、許されることではありません。
懲役生活の中で規則正しい生活態度を身につけ、これからの人生に意欲的な人も多いのであり、有職の保護観察対象者の再犯率は7%にすぎないことからも、社会全体の理解が必要だと思います。
にもかかわらず、これらの人々が放置されたまま、「労働力不足」の解消策として外国人労働者の活用だけが強調されるのは納得できないことです。「人情」なくして「人権」なし、の好例ではないでしょうか。
今年1年の皆様のご多幸、ご繁栄をお祈り申し上げます。
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| (人材ビジネス 2007年2月1日/vol.247 連載第9回 永田町から より) |