政策方針

「外国人労働者短期就労制度」を提言
 
 研修・技能実習制度が施行されてから約15年になるが、制度が定着し欧米諸国にみられるような問題が少ないことは高く評価されている。しかし、低劣、低賃金の労働となっている等との批判が高まる一方、人口減少時代の到来、日本人労働者の職業意識・意欲の変化、ものづくり離れ等から職種・在留期間の拡大の要望が高まっており、各方面で外国人労働者の受入れ問題が議論になっている。
 私は国会議員として現行の研修・技能実習制度の創設を立案にあたるなど、ずっとこの問題に取り組んできたが、此度、自民党国家戦略本部外国人労働者問題プロジェクトチーム座長として「外国人労働者短期就労制度」の創設(これにより研修・技能実習制度は廃止)を提言した。
 提言は、外国人労働者の受入れが国内の労働市場に悪影響を与えないこと、受入れ外国人の定住につながらないようにすること、劣悪、低賃金労働での受入れを認めないことを基本として、現行制度について指摘されている問題等を解消するとともに産業界の実情に対応することをめざすものである。具体的には現在の研修・技能実習制度が研修資格で入国し、技能実習に移行する仕組みであるのに対し、在留期間を3年に限定することは同じであるが、入国時から労働者として扱うことにすること、対象職種を限定しないこと、受入れ団体を許可制とし受入れ枠を定めること、受入れ団体と受入れ企業が受入れ労働者の入国、雇用管理、保護等の義務を一体となって果たすしくみとすることを内容としている。
 今後、健全・適正な外国人労働者の受入れのためにこの提言の早期実現に全力をあげるつもりである。ぜひ御理解・御支援をお願いしたい。




平成20年7月22日
自由民主党国家戦略本部
 外国人労働者問題PT
 座長 長 勢 甚 遠
<基本的考え方>

 外国人労働者の受入れについては、現行研修・技能実習制度について劣悪・芸賃金労働となっている等の批判がある一方、経済の国際化、人口減少社会の到来、日本人労働者の職業意識・職業意欲の変化、ものづくり離れ等に由来する労働力不足に対応するための受入れ圧力が高まっており、各方面での多くの議論がなされてきている。
 当PTは16回にわたるヒアリング、議論により、国際技能協力を目的とする現行研修実習制度を廃止し、国内で必要な労働力確保に資することを目的とする「外国人労働者短期就労制度」の創設を提言する。
 この提言は、外国人労働者の受入れが、①ฺ国内労働市場に悪影響を与えないこと、②ฺ劣悪、低賃金労働を生じないようにすること、③ฺ受入れ外国人の定住につながらないこと、を基本として、現行研修・技能実習制度について指摘されている問題点を解消すると共に産業界の実情に対応することを目指すものである。
 具体的には、現行の研修・技能実習制度が研修資格で入国し技能実習に移行する仕組みであるのに対し、在留期間を3年に限定することは同じであるが、①ฺ入国時から労働者として扱う、②ฺ受入れ対象者、受入れ企業について業種・職種、技能能力などの制限を行わない、③ฺ受入れ団体を許可制とし、受入れ枠を定める。④ฺ受入れ団体を受入れ企業が一体となって受入れ労働者の入国、雇用管理、保護等の義務を果たす仕組みとする、等としている。
 外国人労働者の受入れが健全、適正に行われるよう、この提言の早期実現を要請する。


<制度の概要>
  1. 受入れ労働者
    (1) 在留資格として「短期就労制度」を新設する。
    (2) 在留期間は最長3年とする。
    (3) 「短期就労資格」による再度の入国は認められない。
  2. 受入れ企業
    (1) 受入れ企業は、受入れ団体の紹介を通じて外国人を雇用する企業(団体監理型)及び国外の合弁企業の社員など同一企業内の転勤と同一視できる外国人を雇用する企業(企業単純型)とする。
    (2) 受入れ企業の業種、職種は原則として制限しない。
    (3) 受入れ企業は、労働関係法規の遵守、宿舎の確保、往復の渡航費用・帰国後活動準備金の負担等の義務を負う。
    (4) 受入れ企業は、受入れ団体と、短期就労外国人に関し受入れ団体の指導・監督に服すること等を内容とする監理契約を締結するものとする。
  3. 受入れ団体
    (1) 短期就労外国人の受入れ業務を行うもの(企業単独型の受入れ企業を除く)は、法務省および厚生労働省の許可を受けなければならない。
    (2) 受入れ団体は、短期就労外国人に対する日本語等の教育、受入れ企業に対する定期的な巡回指導等の業務を実施しなければならない(義務的業務)。
    (3) 不正行為等を行った受入れ団体には、一定期間新規受入れを停止し、2度目の受入れ停止により許可を取り消す。
    (4) 許可なく受入れ団体業務を行ったもの及びそれを通じて外国人労働者を受入れた企業に対しては、罰則を科す。
  4. 受入れ枠
    (1) 短期就労外国人の年間の総受入れ数の上限を法定し、その範囲内で毎年の総受入れ数を決定する。
    (2) 総受入れ数の範囲内で、受入れ団体に対し、その人的・資金的規模等により短期就労外国人の受入れ枠を付与する。
    (3) 個別の受入れ企業の受入れ数の上限は、現行研修・技能実習制度と同様とする。
  5. その他
    (1) 技能実習への移行を前提とした研修は廃止することに対応し、「研修」資格の所要の整備を行う。
    (2) 国際研修協力機構は受入れ団体の連合会的機能を果たすものとして再編する。
    (3) 受入れ企業、受入れ団体の義務の強化にあわせ、入国審査手続き等は大幅に簡便化する。